タンゴ Caminitoの歌詞。

Hola!!

久しぶりのアルゼンチン通信ですが、お元気ですか??

南米担当の大長志野です!

今日も、タンゴピアニストらしく、タンゴの一曲についてご紹介しようかなと思っています。

以前から曲をアレンジするにあたり、タンゴの歌詞には興味があったのですが、なかなか理解に難しく、単語の意味をすらーっと調べてイメージを起こすくらいになっていたのですが、先日歌手の方に詳しく話しを聞く機会があり、その際に取り上げていた曲の内容をよくよく聞いていると、なんとおもしろい!!

 

こういうことが読みとれるのか!などなど、歌の風景を知るとても良い機会になったのです。

タンゴの歌詞について、よくアルゼンチン人が『Qué lindo!! 』すごくすてきーーー!って言ったりするのですが、内容をこれはこういう事なの?って聞いたとたん、『うーーん。ちょっと良くわからないね。』とか言ったりするのです。

 

 

???すてきな歌詞と言ったのでは?と思う事もよくあったのですが、しかし、詩の世界は、きっと人によって理解が異なったりするのでしょう。

 

しかし、歌手の人の理解はなかなか説得力があり、私の興味はそそられる一方です。


 

今回の歌は、『Caminito』小径 (こみち)です。

1926年の曲で、作詞Gabino Coria Peñaloza (ガビノ・コリア・ペニャロサ)、作曲Juan de Dios Filiberto(フアン・デ・ディオス・フィリベルト)です。

 

カルロス・ガルデルバージョンのカミニート


 

 

この曲は、日本でもタンゴの世界では超といっていいほど有名で、1953年に初めてアルゼンチンを訪れ、その後アルゼンチンでも日本でもタンゴ歌手として名を残した、日本人の歌手 藤沢嵐子さんも、この曲を歌っています。

 


さて、本題に近づきつつありますが・・・”Caminito”

 

カミニートというのは、100メートルほどの短いこみちの事を一般的に指すのですが、実際に『カミニート』と呼ばれ、地図にもその名称で載っている道は、ボカ地区の観光地にもなっているところにあります。

が、この歌が歌っているのはこのボカのカミニートではなく、作詞者の故郷にあったカミニート(小さな道)の事を歌っているそうです。

 

こういうカミニートと言われるような小径は、ブエノスアイレスの色んなところに、ちょこちょことあり、今日は、ボカではないですが、町のとあるカミニートをご紹介します♪

 

その名は、Carlos Gardel …

 

 

ちなみにCarlos Gardel(カルロス・ガルデル)は、先ほども出てきましたが、アルゼンチンの英雄的歌手です。

 

 

本当に100メートルだけのこの道ですが、番地はすでに3000番代。

アバストと呼ばれるショッピング街のするそばにあり、そして、タンゲリーアがたくさん集中しているところでもあります。という事もあり?このCarlos Gardel に、多くの名タンゴ人が集まっておりますぞ!

 

まずは、バンドネオンでお出迎え

 

それに引き続き・・・

もう一人の英雄的歌手、ゴジェネチェ氏。そして、バンドネオン奏者の英雄とも言えるであろう、アニバル・トロイロとアストル・ピアソラが続きます。

 

 

なんともすごい100メートル。

こんな人たちに囲まれて生活したい!!

 

さて、ようやく来ました。本題。

歌の歌詞です。

 

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Caminito

 

主人公が、昔恋人とよく通ったカミニートに一人で帰ってきて、そのカミニートに話しかけているという風景です。

 

Caminito que el tiempo ha borrado,
que juntos un día nos viste pasar,

he venido por última vez,
he venido a contarte mi mal.

カミニートよ、私達が一緒にここを通ったのをあなたが見た日は、もう消え去った時間です。

最後にここにまたきました

私の不幸を話しにきました

 

Caminito que entonces estabas
bordado de trébol y juncos en flor,

una sombra ya pronto serás,
una sombra lo mismo que yo.

クローバーとイグサの花でいっぱいに彩られたカミニートだったね

でも、もうすぐあなたは、影になります

私と同じように・・・

 

Desde que se fue
triste vivo yo,
caminito amigo,
yo también me voy.

あの人が去ってから

私は悲しみに生きています

私の友、カミニートよ

私も、もう行きます

 

Desde que se fue
nunca más volvió.
Seguiré sus pasos…
Caminito, adiós.

あの人が去ってから

二度と帰って来なかった

私もその歩みを追っていくでしょう

カミニート、さようなら

 

Caminito que todas las tardes
feliz recorría cantando mi amor,

no le digas, si vuelve a pasar,
que mi llanto tu suelo regó.

カミニートよ、いつも午後は

私の愛を歌いながら、歩いて幸せでした

もしあの人がここを取ったとしても

私の涙が、あなたの地にこぼれた事は言わないで・・・

 

Caminito cubierto de cardos,
la mano del tiempo tu huella borró…
Yo a tu lado quisiera caer
y que el tiempo nos mate a los dos.

アザミで覆われてしまったカミニートよ

時間の手があなたの跡を消してしまった・・・

私はあなたの傍に倒れたかった

時が私達を一緒に消してくれるように・・・

 

 

(アザミという植物は、誰も通らなかったり、手入れされていないところに繁殖するそうです。という事で、このカミニートも、今ではもう誰も通らなくなり、道であった事すらわからない状態(草ボーボー)になってしまっている模様。時が彼らの華やかな過去を消し去ってしまったと同時に、カミニートの花で覆われていた時も消し去ってしまった。。。)

 

 

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見たところ、この歌詞の中で、主人公の性別と恋人の性別が明らかになっていないので、男性が歌っても女性が歌っても違和感が無い曲と言えるのではないでしょうか。

 

しかし、作詞家は男性で、聞くところによると、アルゼンチン男性の多くが、付き合っている時は彼女を愛している事や、彼女の大切さに気づかないが、彼女が去って何十年もその傷を引きずっているという傾向にあるらしい。

(話しを聞いた歌手曰く)なので、道が道とわからなくなるほど草ボーボーになるには、何年?何十年かかる事か。それなのに、また戻ってきて、その時の人を思っているのは、よくあるアルゼンチン『男性』の傾向。

だという事です。

 

ちゃんと付き合っている時に、きちんと気持ちを伝えなさい!

だから、女は去って行くのです。

 

という彼女の結論。

でその日は幕を閉じました。


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Pinocoaデザイナー&南米担当:大長志野