能 京都緑幸会 ゆかた会へ参加してきました。

※写真はイメージです。

昨日はPinocoaのお友達ページにもリンクさせてもらっています、山本医院の院長先生と一緒に緑幸会のゆかた会に参加させていただきました。

能楽師:井上和幸先生に許可をいただき、ノイマンKM184にてステレオワンポイント録音で全体を収録させていただき、録音技術向上のための研究材料をいただきました。

井上先生は能と健康をテーマに活動されており、少しお話と取材をさせていただき、想いなどについて知ることができました。

音源の紹介の前に少し能について、緑幸会についてご紹介したいと思います。


数々の健康法および健康に繋がる行為が凝縮された能。

例えば、お謡いの時の呼吸法。

丹田でしっかりエネルギーをコントロールし、吐き出す行為、ブレスコントロール。

午前中のワークショップでは、座禅に対して立禅として、呼吸法のご指導をされていました。

呼吸法また、そのリズムによって健康をつかさどるスイッチが入ることは近年明らかになってきているそうです。

さらに、筋肉については、人間の身体を取り囲む通常の筋肉とは違い、近代の日常生活では使われなくなった、しかし、人間が本来持っている眠った筋肉があるそうです。

能はその筋肉を目覚めさせる力があり、例えば、通常の筋トレでトレーニングするには無理がある後期高齢者の方など、能の動きを習得して、インナーマッスルを目覚めさせると、歩けなかった方が歩けるようになったりといったケースを数多く確認されているそうです。

さらに、能で使うすり足。

すり足も健康にしっかり繋がります。

足の裏には数多くのツボが存在し、それらを刺激するという意味もありますし、大地のエネルギーを取り入れるという意味もありますし、脳の様々なポイントに対してスイッチが入ります。

確かに私自身寝たきりの老人の足の裏を毎日マッサージし、歩けるようになったという事例も耳にしたことがあり、井上先生のお弟子さんの中にも能の動きを使った健康法で数々の奇跡を目撃されてきたとのことでした。

井上先生は能楽師として活動されている中でお弟子さんの数々の健康改善を目の当たりにして能の健康効果に着目され、現在に至ります。

眠った筋肉という意味で、ゆかた会を観察していましたが、最後にプロの能楽師による御仕舞のパフォーマンスでは、まるで人形のようでした。

二足で立つ。

ただこれだけのことなのに、普通の筋肉を使っている人とはまったく違う世界で立っています。

立つだけでおそらく我々一般人には想像もできないほどの種類の筋肉を使っているように見えました。

もちろん歩き出し、身体の重心バランスも一般人とは明らかに違います。

それも舞台に上がるときに、筋肉がスイッチのように切り替わるような感覚でした。

舞台に上がる前と上がった瞬間とでは重心が明らかに違っていました。

シーンによって、自在に筋肉を使い分けるといったニュアンス。


ブレスにしてもお弟子さんたちとプロの能楽師との違いはそのスピードコントロールでした。

プロの方は発声の際のスピードで必ずブレスをします。

これが出るときと出すときで違っているということがありませんでした。

早いパッセージによる発声の際にはそれに近いブレス、おだやかな発声の際にはゆっくりと、それによって、声色(音質でしょうか)に表情がつき、より豊かな表現になっているように感じました。

もちろん急いでブレスをするのではありません、ゆっくり丁寧に急がず早く取る。というニュアンスを感じました。

確かに見ていて健康としっかり繋がっているという感覚が見えました。


肝心の音は!?

さて、私の専門分野である音ですが。。。

非常に難しい能の録音。

倍音の広がりが予定できず、予想できず、今回は初めての能の録音ということで、声を録るということを目的にセッティングしました。

本当は、能舞台という一つの宇宙で繰り広げられるエネルギーの流れ、空気や湿度の変化、巻き起こる音のインプロビゼーションを的確に収録する必要があります。

その場合やはり無指向性マイクが最適でしょう。

次回また録音のチャンスをいただけたらWM-61Aで挑みたいと思っています。

今回は指向性KM184。

声帯や丹田のエネルギーも感じる場面もありましたが、能の響き、奥行きなどなど私自身情報不足のため、どのような音を録るのか?録りたいのか?イメージができずに臨んだそのままの結果がでてしまっていると感じました。

会終了後に井上先生や河本先生のお話を聞いたりし、少しイメージができるようになり、いつの日かリベンジしたいと思っています。

ではKM184ワンポイント録音で収録したゆかた会はどのような感じでしょうか!?


2017年8月27日(日曜日)

ZOOM F4

neumann KM184

場所は京都御所のすぐ近く梨木神社の能楽舞台。


雷電前半部分

雷電のWikipedia

こちらはプラグインにて少しお化粧した版↓↓↓

本格的な能舞台ではお面をかぶりそれが振動するとのこと。

面をかぶった場合はこれにディレイのようなかぶりが加わるのかもしれません。

そして、こちらは同じテイクですが、編集によるお化粧は一切なし、EQもかけてません↓↓↓

EQにより、少し全体のイメージに差が出たように感じます。

やはり録音した私が確固たる録音のイメージとコンセプトを持てていないために起こる現象でしょうか。


続いては御仕舞です。

舞台で舞を披露している間、舞台袖からお謡いで伴奏をするという形式でした。

最初は舞台のセンターで舞を中心としてセットしていたのですが、このテイクは袖のお謡いに向けてセットしました↓↓↓

ちなみにこちらはまだ小学生にもならない小さなお子さんが披露された舞で、こちらのお謡いは舞台上のセンターに位置し、能舞台の最後尾から聞こえます↓↓↓※最初音量注意。


最後にこのゆかた会を紹介していただき、録音の許可を井上先生に話を通してくれた山本先生のパフォーマンスを一つ!

土蜘

土蜘のWikipedia

山本先生はツレ 源頼光役で出演↓↓↓※ファイルサイズの関係から全体が入るまでの前半部分。


個人的な感想ですが、能の世界は日本独自の文化であることに変わりはありませんが、シルクロードを初めとする様々な文化を積極的に取り入れた多様性を感じました。

柔軟に異なる文化の良い面を吸収する。そんな先進的なアート姿勢が能の発祥にはあったのではないでしょうか。

さらにインプロビゼーションの要素も含まれていて、法則のない(あえて観測しないが存在を予測する)法則という美学が非常に魅力的に映りました。

そんな無限に見える有限の美しさ、有限だからこそ人間はその演目一つ一つに美を追い求める欲求が消えないのでしょう。

それは無限に見えるから余計に我々聴衆は無意識に美を追い求めます。

そんな不思議な魅力が能には感じました。

井上先生は「みなさん是非能をやってみましょうよ。」と健康を取り入れた新しいアプローチでの広報で人類の叡智を守っておられます。

この不思議で魅力的な能という叡智が未来永劫続いていくことを願ってやみません。


次回また録音の機会をいただけることを願って、マイクの場所ごと演目ごとにしっかり研究し、次回より良い録音ができるようにしっかり勉強を重ねたいと思います。


リンク

緑幸会

山本医院

ピノコアプロデューサー:服部洸太郎