一貫性バイアスを捨てる

人の意思決定はある程度の理論で行われています。

生物ですから当然のこと。

しかし、今行っている意思決定はどんなメカニズムで、どんなバイアスがかかって下している決定なのか?

それらを知ることで選択・決定でのミスを極力減らしていくことが可能です。

本日はそんな人間に備わっている一貫性バイアスについて考察し、一貫性バイアスで投資判断、さらには人生での重要な判断を下していないかみなさんも一緒に考えてみましょう。

一貫性バイアスとは?!

人間は周囲の人から信頼を得るために、一貫性を保とうと無意識に行動、意思決定してしまう傾向があります。

みなさんも思い当たる節があるのではないでしょうか?

  • 「言ってることがコロコロ変わる」
  • 「会うたびに違うことを言っている」

こんなことを想ったり、言われたりした経験はありませんか?

そして、会うたびに違う商品を勧めてくる営業マンや、言ってることに一貫性のない人を私たちはどこか信頼できないと思ってしまいがちです。

幼いころからも基本的に一貫性を持たせるように教育されてきていますし、そういう「確固たる信念」みたいなものを尊敬する風潮が日本では特に強いのが特徴的です。

日本では「○○一筋70年」とか言われた職人さんへの信頼は凄まじいものがありますよね?

しかし、将棋一筋〇十年の人を18歳(執筆時点)の藤井聡太さんがボコボコにやっつけるのは当たり前になってきました。

間違っていた場合に大変危険

この一貫性バイアス、一見すると信頼される人に見られるからいいじゃないか?

と思われがちですが、最初に決めた意思決定や判断に間違いがあったときにやっかいな足枷となってしまいます。

判断を修正したい場合や、間違いを改めたい際に「一貫性バイアス」が働き、無意識下で主張や決定を貫き通そうとするわけです。

これは何も誰かに対しての意思表示だけではありません。

自分自身の決定を自分自身の中で処理する際にも無意識下に働くバイアスとなっています。

一貫性バイアスの足枷で正しい決定や判断へと修正することができないことは大変危険な状態と言えるのではないでしょうか。

投資には特に危険

もちろん投資や投機の判断をする際にも一貫性バイアスは働きます。

最初に決めた銘柄を一貫性を持ってホールドし続ける。

何かその銘柄のシナリオが変わったり、状況・情勢が変化しても、「自分が最初に決めたものだから」と一貫性を持って信じて保持し続ける。

実はこれはバイアスのかかった非合理的な意思決定であると言えます。

株は宗教じゃないんだ!

ジムクレイマー
 

memo

株は宗教ではありません。
信じたり、応援したりするものではないと彼は強く訴えています。

アメリカのカリスマ投資家ジム・クレイマーも言ってることはコロコロ変わります。

数日~数か月前に「この銘柄はダメだ・・・」と言っていたかと思えば「これはええぞ!」と言っていたり。

完全に一貫性バイアスを無視し、足枷を外した状態で「今」の銘柄を見ているわけです。

冷静に考えれば当然のこと。

数日~数か月前と状況が同じなわけがありません。

その銘柄の状況などが大きく変わった場合戦略も柔軟に変化していかなければいけません。

また、投資家はその企業の社員でもなければ取締役でもありません。

企業と心中する必要はないわけですから、「あ、ダメだこりゃ・・・」と思ったらバッサリと保有株を売却すればいいわけです。

信じて信じて滅びるまで信じ切る必要は全くないわけです。

日本の企業精神では基本的に信じて信じて滅びるまで企業と心中することば求められてきました。

ここにも日本人が特に強く持っている一貫性バイアスをさらに強化する文化が存在していると言えます。

投資の神様とも呼ばれ「バイ&ホールド」で有名なウォーレンバフェットがコロナショックで「状況は変わった」というコメントと共にあっさり航空株を手放したことは世界に衝撃を与えました。

状況が変わっても一貫性バイアスのせいで変化させることができないことほど危険なことはありません。

中期~長期の投資

もちろん中期~長期の投資でも同じことです。

例え数十年先を見越して購入した銘柄だったとしても、状況やシナリオが変われば変わらなければいけません。

ウォーレンバフェットの「バイ&ホールド」に対して、ジムクレイマーは「バイ&ホームワーク」買ったらホールドするだけじゃなくて、買ったら勉強し続けようと提唱しています。

長く持てば持つほどその企業に愛着が湧いてしまい、一貫性バイアスどころか他のバイアスもかかってきてなかなか思い切った判断はできないかと思いますが、バイ&ホールドのウォーレンバフェットが航空株を手放したようにバイアスしっかり理解し、完全に外して判断していく癖をつけていきましょう!

みなさんの参考になれば幸いです。

Kotaro
Kotaro
フォトグラファー, サウンドデザイナー, 投機家。
ドイツで制作したピアノアルバムをリリース後「金田式電流伝送DC録音」専門スタジオにアシスタントとして弟子入りし裏方へ。
現在は独立しKotaro Studioで「誰かのためにただここに在る」をテーマにアルゼンチンタンゴとアメリカの古典音楽の歴史を研究しながらコンテンツを制作中。
小学3年生の頃、読書感想文の賞金である図書券で2冊の投資関連の本を購入したのをきっかけに投資に興味を持つ。
当サイトでは金融の歴史も含め関連するデータやスキルもアーカイブしていきます。
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