クルーグマン マクロ経済学 第2版

評価:★★★★☆

大変読みやすい翻訳。

まるで大学で講義を受けているかのような文章と解説。

しっかりとマクロ経済学を展開しているにも関わらず誰にでもわかりやすいように伝えたいと想いが伝わってくるように丁寧に易しく解説してくれていました。

感想

投資を学ぶためにはどうしても経済学を知らなければいけません。

主にマクロ経済学とミクロ経済学がありますが、ポール・クルーグマン氏はミクロ経済学も執筆されています。

今回個人的にマクロ経済学をしっかり基礎から学びたいと思い購入しました。

まずマクロ経済学自体が1929年の大恐慌以降に誕生した比較的新しい概念であると言うことは知りませんでした。

1929年以前は経済学では有名な見えざる手「アダム・スミスの『国富論』」の力でマクロ経済は自動制御されると信じられていたそうです。

その後1929年以降にジョン・メイナード・ケインズをはじめとしてマクロ経済学が確立していったという経緯があります。

ケインズといえば金融資産の8割を株式に集中投資しており、1929年の世界大恐慌時に大変痛い目を見たと言われています。

ケインズのこのような状況をみると彷彿とさせるのが、「経済学者が1929年の大恐慌を予測できなかったのか?」とか、「経済学者に金持ちが少ない」とかいう印象を持たれている方もおられると思います。

このクルーグマン マクロ経済学 第2版をしっかりと読み込むと経済学者がお金儲けと直結しない理由や、マーケットの予想屋はできない理由などが見えてきます。

ちょうど数学者が算数できないのと似ているのではないか?と感じます。

音楽の世界でいうところの優れた名曲を生み出す作曲家が必ずしもピアノがうまいというわけではないというのにも似ているように感じました。

経済学者はモデルを考察する仕事であり、決してマネーの専門家ではないというのが垣間見えました。

ポール・クルーグマン

引用:Wikipedia

ポール・ロビン・クルーグマン(Paul Robin Krugman、1953年2月28日 -生まれ。)

アメリカの経済学者でコラムニスト。

ニューヨーク市立大学大学院センター(CUNY)教授。

経歴などをWikipediaで拝見すると華麗なる経歴をお持ちだとわかります。

  • 1974年 イェール大学を卒業し文学士(経済学専攻)。
  • 1977年 マサチューセッツ工科大学でPh.D.を取得。博士課程の指導教員はルディガー・ドーンブッシュ[7]。
  • 1977年 – 1980年 イェール大学助教授に就任。
  • 1980年 – 1984年 マサチューセッツ工科大学准教授に就任。
  • 1982年 – 1983年 レーガン政権で大統領経済諮問委員会委員を務め、IMF、世銀、EC委員会エコノミストを務める。
  • 1984年 – 1994年 マサチューセッツ工科大学教授に昇格。
  • 1994年 – 1996年 スタンフォード大学教授に就任。
  • 1996年 – 2000年 マサチューセッツ工科大学教授に復帰。
  • 2000年 – 2015年 プリンストン大学教授に就任。
  • 2005年 – ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス100周年記念講座教授に就任。
  • 2015年 – ニューヨーク市立大学大学院センター教授に就任。
  • 2000年からニューヨーク・タイムズのコラムを担当している。

国際貿易理論に規模による収穫逓増を持ち込み、産業発生の初期条件に差がない国同士で比較優位が生じて、貿易が起きることをモデル化。
このモデルは、自動車産業など同種の製品を作る産業が、アメリカやヨーロッパ、日本にそれぞれ存在して、互いに輸出しあっている現実を反映する。

Wikipedia

この点について本書では非常にわかりやすく丁寧に解説してくれています。

まとめ

これまで経済学などを学んだことのない方がマクロ経済をざっと導入するためには最適な本なのではないでしょうか。

私自身もそういう目的で購入しました。

マクロ経済学とアノマリーの組み合わせは独自の長期投資の研究資料としては非常に相性がいいように感じますし、大型の書籍でお値段もそこそこしますが、このお値段のスクールや短期講習を通訳付きで受けられたと思えば激安だと思いました。

投機と投資、それぞれ必要な知識やスキルは違ってくるかと思いますが、マクロ経済学は長期投資のために知っておかなければいけない分野だと改めて考えさせられる名著だと言えます。

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Kotaro
Kotaro
フォトグラファー, サウンドデザイナー, 投機家。
ドイツで制作したピアノアルバムをリリース後「金田式電流伝送DC録音」専門スタジオにアシスタントとして弟子入りし裏方へ。
現在は独立しKotaro Studioで「誰かのためにただここに在る」をテーマにアルゼンチンタンゴとアメリカの古典音楽の歴史を研究しながらコンテンツを制作中。
小学3年生の頃、読書感想文の賞金である図書券で2冊の投資関連の本を購入したのをきっかけに投資に興味を持つ。
当サイトでは金融の歴史も含め関連するデータやスキルもアーカイブしていきます。
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